23日
●朝になって
・・・結局、以下のようにしようと思う。
まず、旧市街地は4つの特徴に分類される。
1.西側の政府施設が多い街区
2.北側の古い建物が残る街区
3.東側の観光施設が多い街区
4.旧市街地の中程にある、一般的な建物が多い街区
1:政府の施設は規模が広く、庭(駐車場)と建物が分離して建ち、一般的な建物の様式とは異なる。裏手には旧来の建物が残存している(つまらんファサード)。
2:フランスの植民期当初に建てられた古い建物が残存している。また、一般的な建物も建っている。
3:大規模なホテルに建替えられ、画一的なファサードになっている(特につまらんファサード)。裏手には旧来の建物が残存している。
4:一般的な建物が建ち並び、街路の形状は複雑である。最もプノンペンらしいと勝手に考えている。
これらのファサードと街路形態を調査する。
現状では西側が2、北側が1、東側が1、中央が4つ、中途半端にせよ調査している。この中から最低でも1つずつ(中央は2〜3つ)、ファサードと街路形態の調査を行う。論文的な切り口としては、出発前から想定されたような「ファサードの分類」と「街路形態の分析(分類)」になる。ファサードに関してはそれぞれに特徴があるので分類が可能だが、街路に関しては分類ができるか不明だ。東側の街区に関して言えば、表のホテルと裏の建物とでアクセスに違いがあるので(そもそもホテルに街路がない)、分類といってもその形態の違いを指摘する程度になると思われる。
具体的には、西側(東側)の大通り沿いの宅地構成と裏手に残存している旧来の街路形態の比較ということになると思う。むしろ、違いによって分類するというよりも、中程の街区を中心にプノンペンの特徴的な街路形態を抽出する方が適当かと思われる。なので、各街区の街路形態と集合住宅へののアクセス状況をビデオ撮影を中心に調査する。集合住宅の中に入れそうな場合、面白そうな場合は集合住宅内部の各住戸のアクセスに関しても調査を行う。
ただ、ある程度上に上った方が面白い場合もあり、2階で十分な場合もあると思うので、何階まで調査を行うのが適当かはわからない。規準階がない事はないのだが、それで掴みきれない場合もあるので。
つまり、調査街区の路地は全て押さえて、集合住宅内の住戸のアクセスに関しては可能な範囲でと考えている。前回の論文では住戸の図面と路地図面のみでアクセスの情報がなかったが、今回は多少なりとも住戸ごとのアクセスも押さえておきたいと思う。論文に使える程度のものになるかは分からないが、プノンペンの住宅の面白さ(悪さも含めて)は集合住宅内のアクセスにあると思っているので。
一般的という根拠についてだが、フランス植民時代の建物→大通り沿い(一等地)への政府施設の建設→観光化による画一的なホテルの建設という流れ(大まかですが)で考えれば、建て替えられていないホテル裏手の建物や、中央やに残存している建物と路地が最も一般的だと言えるような気がしている。
ということで、行ってきます!
行ってきた。
どんどん街区に入り、がんがん撮影してやった。実測をしない分、相当早く進んだ。また、午後に市庁舎の地理局へ出向き、プノンペンの地図をもらえないか直接交渉を行った。ティーさんも少し緊張していた。最初は地図がもらえれば十分だと思っていたが、交渉の結果データごともらえるという事になった。すばらしい!ただ、今はUSBメモリを持っていないので、明日再度行くことになる。また、昼に経済大学の教授と面談した。彼の名前はPhul Boran、プル・ボロンさん。簡単な自己紹介と今回の調査の目的を伝え、何か協力できることがあれば一緒にやりたいと申し出たが、経済が専門なので何もできないと言われた。完全なお門違いだ。なんだか恥ずかしいぞ。
色々と話を広げて、プノンペンの大学の現状について聞いた。まずこの大学はNational University of Managementで、経済、ツーリズム、銀行、法律、マーケティング、英語の6つの学科構成だという。小学校の話で、先生の給与が低いのでアルバイトをするという問題の話をしたが、教授の一ヶ月の給与は$1500で、生活には困らないらしい。ただ、それはプノンペンの大学に限ったことで、他県の大学だともっと給与が下がるらしい。また、以前は$2500ほどの給与があったというが、現在は不景気であまりもらえないようだ。
建築関係だと、プノンペンには4つの大学がある。国立の技術大学と芸術大学、私立のビルブライ大学、ノートン大学だそうだ。話に盛り上がりが欠けてきたところで、早々に面談を切り上げる。帰りにティーさんが、私のボスにかけあって何とかしてやると言ってくる。彼のボスとは元プノンペン市長のことで、名前はH.E.Chesophara、チェソパラさんという。現在は土地管理省の副大臣をしており、コンポンチャムの田舎開発プロジェクトの副代表をしていることは先に触れた。現在コンポンチャムでは高校の校舎が不足しており、学校建設の協力者を探しているという。田舎開発プロジェクトでは、他にも灌漑用地の整備や堤防の建設、自転車の提供などを行っているらしい。
僕たちは設計をするために学校を建て、彼らは学校建設の資金援助を得たいと望んでいる。学校建設に関する互いの利潤を満たすためには、私たちが多少の資金援助を行わなければならないだろう。300万円あれば十分学校が建つが、200万円しか集まらなかったとしてもボスに言えば残りを出してくれるから大丈夫だとティーさんは言う。カンボジアの屋根形状さえ守ってくれれば、設計は僕たちが担当してもいいという。願ったりな話だ。